3Hメディソリューション株式会社(東京都豊島区、代表取締役 安藤 昌、以下3H)は、検体の提供を通して医療の研究に協力を希望する患者さんの自宅へ、医療従事者が訪問し、検体を回収する取り組みを希少疾患や難病を中心に開始しました。これまでの検体提供では、医療機関への患者さんの来院などが必要でした。今回の取り組みにより、患者さんが地理的な条件などに縛られることなく、検体提供が可能になります。患者さんの医療貢献の思いをこれまで以上に受け止める体制が確立すると共に、研究に必要な検体の不足を解消し、医療の研究促進に繋がることが期待されます。
希少疾患や難病領域では、有効な治療法が見つかっていないことが多く、治療法はもとより明確な診断方法さえも確立されていない疾患も少なくありません。一方で患者さんが切望する新薬などの新しい治療法を開発するうえで、解析に不可欠な患者さんの健康情報や血液、唾液等の生体試料に対して、製薬企業やバイオベンチャー、アカデミア等の研究者がアクセスすることが難しいといった課題もあります。
こうした課題を解決すべく、3Hが運営する3Hライフサイエンス研究所(所長:牧 大輔)が、2019年に希少疾患・難病領域における患者さんの研究開発への参画と研究の促進を支援するプログラム「患者中心主義に基づく希少疾患研究開発プログラム(以下:PCRD²)」※1を東京大学 ITヘルスケア社会連携講座と開発しました。患者さんからは検体の提供を、研究者からは、知財などに影響が出ない範囲での患者さんへの情報提供と検体利用に必要な費用を負担する取り組みです。
3Hは新たな治療の研究のために、検体を必要とする研究者と検体提供に協力を希望する患者さんとのマッチングを行い、その実施を支援します。
この取り組みを進めたところ、地方にお住いの患者さんからは、研究に協力したいが遠方のため難しいといった意見や、どうしても協力したいとの思いで遠方からお越しいただくといった課題も見つかりました。
一方、近年では新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、医薬品開発においてホームナーシング(訪問治験)を主軸としたDCT(分散型臨床試験)※2の取り組みが進んでいます。3Hでも22年9月時点で54試験・2,575名の患者さんに対して、医療従事者が患者さんの自宅などに訪問して行う訪問治験を支援しました。
今回の取り組みは、このPCRD²と訪問治験の仕組みを融合し、患者さんが検体提供をしやすくする取り組みです。医療従事者が患者さんのご自宅などにお伺いすることで、患者さんは、居住地に制限されることがなくなり、移動の負担も軽減されます。地理的な参加のハードルが下がり、提供者が増えることで、検体不足が軽減され、新たな治療の研究促進につながることが期待できます。
3Hは今後も医薬品開発の支援を通して医療の発展に貢献してまいります。
※1:PCRD²(Patient Centricity in Rare Disease R&D Program):https://3h-ms.co.jp/pcrd2lp
協力希望者の事前登録:https://raresnet.com/special/rares_members/
※2:DCT(Decentralized Clinical Trial/分散型臨床試験):オンライン診療やウェアラブルデバイス、訪問診療・看護などを用いて被験者の自宅など医療機関以外でも実施する臨床試験の手法。DCT(Decentralized Clinical Trials)や分散型臨床試験、分散化臨床試験、在宅治験やバーチャル治験、訪問治験、リモート治験、サイトレス試験など様々な名称で呼ばれています。
3H DCT:https://3h-ms.co.jp/dctlp
■印刷用PDFはこちら【 3HCT Release_221130 】