チャリティーライブによる、小児・AYAがん及び臨床試験の啓発活動の有用性を調査 96.3%がエンターテイメントによる啓発の有用性を感じたと回答。調査結果を日本臨床試験学会 第10回学術集会総会でポスター発表 発表にはチャリティーライブに出演した「夢みるアドレセンス」山下彩耶さんも参加


株式会社クロエ(本社東京都豊島区代表取締役安藤昌)が運営する、がん情報サイト「オンコロ」は、小児・AYA世代がんの一般啓発活動におけるチャリティーライブの有用性を調査し、日本臨床試験学会第10回学術集会総会にてポスター発表を行いました。本調査は、2018年9月に実施したチャリティーライブ「Remember Girl’s Power!! VOL.3」にて行い、アンケート回答者の96.3%がエンターテイメントによる啓発の有用性を感じ、70.3%の方が気持ちの変化を感じたと回答しました。

ポスター発表には、共同演者である東北大学大学院医学系研究科医学統計学分野教授の山口拓洋氏とともに、「Remember Girl’s Power !! VOL.3」にも出演した「夢みるアドレセンス」の山下彩耶さんも参加。多くの医療関係者の前で、チャリティーライブに参加した感想や啓発イベントの重要性について発表を行いました。

■「夢みるアドレセンス」山下彩耶さんコメント
「夢みるアドレセンス」は、3年間にわたり、小児がんやAYA(アヤ)世代のがん啓発チャリティーライブに出演してきました。私自身もAYA世代であり、ファンの皆さんの多くもAYA世代で、ライブを通じて少しずつ啓発が進んでいるように感じています。そして、多くの方々が寄付を行っており、出演者としてもとても嬉しく思いました。アイドル、音楽、エンターテイメントが果たせる役割を感じています。これからもできる限り協力していければと思っています!」


■山口拓洋氏(東北大学大学院 医学系研究科 医学統計学分野 教授)コメント
欧米では、多くのミュージシャン・アーティストが立ち上がり、多くの団体・組織・企業の協賛のもと、ファンドレイジングによる課題解決を目的としたチャリティーライブが行われています。一方、日本では、「がん検診啓発」等へのチャリティー活動はあるものの、臨床試験自体への取り組みは少なく、研究者の資金調達面は企業献金や公的資金へ頼らざるを得ない状況です。臨床試験の普及、促進、そして、参加者のエントリーにエンターテイメントが果たす役割は大きく、今回の研究結果はそれを裏付けるものと言えます。Remember Girl’s Power!!が今後も末永く続き、同様の調査を継続して行っていくことが重要ですので、小児・AYA世代の皆様のご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。一緒に盛り上げていきましょう!

<チャリティーライブ「Remember Girl’s Power!!」>について

チャリティーライブ「Remember Girl’s Power!!」は、小児・AYA世代(15歳~39歳)のがん体験者支援、疾患啓発、研究支援につなげることを目的とする女性アーティストによるチャリティーライブ。2016年から毎年開催されており、のべ1200人超を動員。毎回、がんの臨床試験に関わる医療者も参加・スピーチしている。

日本臨床試験学会 第10回学術集会総会 ポスター発表
<チャリティーライブによる、小児・AYAがん及び臨床試験の啓発活動の有用性調査>

■調査背景
第3期がん対策推進基本計画において「小児・AYA世代がんの一般啓発」は分野別施策の1つとなる一方、2012年に作成された臨床研究・治験活性化5カ年計画において「国民・患者への普及啓発」が組み込まれたが、我が国におけるこれらの啓発は欧米と比し、発展途上といえる。我々は2016年よりチャリティーライブ「Remember Girl’s Power!!」を毎年開催し、啓発/寄付活動に努めてきたが、その有用性を検討していなかった。そこで、2018年9月1日に開催された「Remember Girl’s Power!!VOL.3」にて、ライブ参加前後のアンケートを実施し、行動変容を検討することとした。

■調査結果からわかる3つのポイント
・96.3%がエンターテイメントによる啓発の有用性を感じた。・寄付をしようと思っていなかった参加者の79.2%が実際に寄付を行った。・チャリティーライブ活動は臨床試験の啓発/寄付活動に有効であることが示唆された。

■調査結果概要
ライブには約400名の来場があり、参加前アンケート回答者は187名、参加後回答者は129名、両回答者は108名であった。両回答者のがん患者以外割合は93.5%、チャリティーライブ初参加者が41.7%であった。満足度は93.5%、エンターテイメントによる啓発の有用性を感じた方は96.3%であった。ライブ参加前に寄付に関してマイナス方向の回答を示した方のうち、気持ちの変動を感じた方は70.3%、寄付行動をとった方79.2%であり、気持ちの変動や寄付行動をとられた方の割合を以下に示す。

詳細調査結果:https://www.croee.com/wp-content/uploads/2019/02/report_190201.pdf

■印刷用PDFはこちら 【 Release_190201